- 8月10日、Pokémon GOで有名な米AR大手のNianticは、高解像度の3DスキャンアプリScaniverseを買収しました。
- 買収後、Scaniverseは独立したアプリとしてAppStoreに留まり、従来有料だったProサブスクリプションが無料になります。創業者兼CEOであるKeith Ito氏はNianticのARエンジニアリングチームに参加することが発表されました。
- Scaniverseの買収により、スマートフォンユーザーが3Dスキャンをしやすくなり、Nianticが従来から進めている持続的に進化する大規模な3Dマップ構築がさらに加速していくものと思われます。
Scaniverseとは
ScaniverseはToolbox AIが開発した、LiDARセンサー搭載のスマートフォンのカメラから直接3Dコンテンツをキャプチャ、編集、共有できるiOSアプリです。LiDARセンサーを搭載したiOS端末(iPhone12Pro/MAX、iPadPro2020/2021モデル)で使用することができます。
買収後もScaniverseは独立したアプリとしてAppStoreに残り、従来有料だった8K高解像度でのメッシュ構成や一部の出力を含むProサブスクリプションは無料で使えるようになります。
Scaniverseを実際に体験してみた
Scaniverseはチュートリアル動画のように、手軽に体験することができます。
そこで、実際にアプリをダウンロードして体験してみました。
まずこちらの音響機器をスキャンしてみました。
スキャンでは周辺の風景も一緒にスキャンに入るため、Scaniverseで音響機器のみを切り抜きます。
その結果、以下のような3Dモデルが出来上がります。
この3Dモデルを実際に配置してみます。本物と見比べると、クオリティの高さが伺えます。
他の物体もスキャンしてみました。
植物の葉など細かいものはスキャンしにくいようです。
ソファーは光沢や質感まで綺麗に再現できています。
以上のように、Scaniverseは非常に簡単に扱うことができます。皆さまもぜひダウンロードして体験してみてください。
Scaniverse買収によりできるようになること
Nianticは、3Dコンテンツの撮影・編集・共有を迅速にできるScaniverseと一緒になることで、マルチOSのスキャンが簡単になり、Niantic のスキャンプロジェクトに協力しているプレイヤーにより優れたツールを提供できるようになると述べています。
Nianticの3Dマップ構築が加速
Nianticは従来から、Pokémon GOなどのアプリを通じて、世界規模の持続的に進化にする3Dマップ構築を目指してきました。特に近年は、2020年には6d.aiを買収、各国との大手通信業者との協定を発表し、今年には開発キット「Niantic ARDK」と3Dマップ生成技術「ManyDepth」を発表するなど、3Dマップ構築を強化してきました。
今回のScaniverse買収によってスマートフォンユーザーの3Dスキャンがより簡単になり、この流れはさらに加速していくと考えられます。
まとめ
NianticはScaniverse買収発表の中で、最後に
「現実世界でポケモンの生息地をみんなで一緒に体験したり、デジタルキャラクターが街の隠れた名所を案内してくれたり、友だちが現実世界にある場所に残したメモを発見したりできる未来を想像してみてください。」
と述べています。3Dマップ構築が進めば、このようなことも実現に向かっていくでしょう。