- 7月28日(水)3Dアバターアプリ「ZEPETO」はライブ配信サービスを開始しました。
- TikTokなどでもアバターを用いたショート動画などで急激に認知度と人気をあげています。
- アプリ内にバーチャルワールドが設置されており、アバターの姿で入場可能で、期間限定のイベントなどを楽しむことができます。
ZEPETOについて
ZEPETOは、韓国生まれの3Dアバターアプリです。今年5月には、snowから独立し「Naver Z」という子会社になりました。実はsnowの親会社はあのLINEです。
ZEPETOは、snowの写真技術を応用し、自撮り写真からアバターを作り出し、アプリケーション内のヴァーチャル世界に出現させることができます。最近で言うと細田守作品の『竜とそばかすの姫』と似ていますね。『竜とそばかすの姫』を見ればZEPETOについてはなんとなくイメージがつくと思います。
ZEPETOの登録ユーザーは、中国・韓国を中心に約1億5000万人程度と推定され、月間のアクティブユーザーは1000万人にも及びます。
最大のマーケットである中国では、親しみを込めた子どもの呼称「崽崽」(ザイザイ)という名でも知られています。
ZEPETOがライブ配信サービスを開始
ZEPETOのライブ配信サービスが開始されたことで、ゼペッターと呼ばれる配信者のアバターたちによるお悩み相談や特別トークを楽しめるようになりました。
配信にはチャット機能があり、リアルタイムでゼペッターとトークすることも可能になっています。つまり、双方向的なコミュニケーションがこのライブ配信サービスによって可能になりました。ちなみに、公式のホームページ(https://zepeto.me)にはゼペッターたちのタイムスケジュールが載っているので興味がある方はぜひ参照してみてください。
バーチャルライブ配信業界の動向
ここ5年のバーチャルライブ配信業界は確実に活性化しています。上記の推移を見ればわかるように資金調達額も急増しています。コロナ禍ということで家から出ずに利用できるサービスとして伸びた、という原因も考えられますが、明らかなトレンドとなっていることは間違いありません。そのため、グリーやドワンゴ、サイバーエージェントなどの大きな企業がバーチャルライブ配信業界に参入し始めています。
その大企業の参入に伴いバーチャルライブアプリのユーザー数も大幅に伸びています。最近テレビCMでよく見かけるビゴライブは2020年の時点で総ダウンロード数3億を突破しています。他にはMIKOで総ダウンロード数3億、Live MEで1億、ツイキャス3000万、スプーン2600万ユーザー、ミクチャは総ユーザー数1000万とかなり大きな市場に成長しています。
バーチャルライブ配信業界の主な収入源は視聴者による投げ銭です。視聴者による投げ銭は数百円の少額から数万円と言うかなりの額まで幅があります。しかし、高い投げ銭をすればするほど目立ち、コメントなどを配信者に拾ってもらいやすくなります。そのため、配信者と話したいがために多額の投げ銭をするケースも多く見られます。
ユーザーの増加に応じて投げ銭総額も増えていく構造になっており、バーチャルライブ配信市場も急速拡大しています。
他のバーチャル配信アプリとの違い
他のバーチャル配信アプリとの大きな違いは、アバターのリアルさにあります。
こちらは「REALITY」のアバターです。REALITYでは、多くのバーチャル配信アプリと同じように、いくつかの用意された髪型などのパーツを組み合わせてアバターを作ることになっています。
しかし、ZEPETOは元々がsnowのカメラ機能を利用しながらアバターを作っているため、アバターがリアルでさらにアバターの顔の種類がかなり多様です。
自分に似たアバターも簡単に作り出すことができますし、仮想空間では生まれ変わった自分でありたいというユーザーはアバターを自分の好みで作り出すこともできます。この幅とリアルさは唯一無二のものです。
メタバースへの展開
さらに、最近はメタバース事業に参入する大企業も増えてきました。メタバースとは仮想現実空間、ヴァーチャルワールドのなかでアバターの姿を借りて実生活に近い生活を送ることができるというものです。
「サマーウォーズ」だったり、「竜とそばかすの姫」のような細田守作品を見たことがある人なら想像できると思います。
アバターによって配信されるZEPETOのようなライブ配信アプリは、アバターが存在する仮想空間を作り出す必要があるのでメタバースとの親和性が高いです。
グリーはバーチャル配信アプリ「REALITY」を手がける子会社のREALITYを中心に仮想空間「メタバース」事業に参入することを明らかにしまし。2024年まで100億円の事業投資と200人以上の開発者を雇用すると発表しています。
また、Facebook社もマーク・ザッカーバーグ氏は自身のTwitterでメタバースを実現するための組織「Metaverse product group」の立ち上げを公表しています。
このように、大企業もこのメタバース事業に目をつけ、着々と来るべき日のために準備を整えつつあるのです。