AR技術を用いたスポーツ競技として注目を集めているHADO。現実では不可能な技を繰り出して対戦する臨場感や爽快感が魅力で、着実にファンを増やしています。その人気は日本国内にとどまらず、世界中に体験できる施設が展開されています。ここでは、ARスポーツHADOの特徴やルール、体験が可能な施設を紹介します。
ARスポーツHADOとは
(引用元:HADO Facebookファンページ)
HADOは、株式会社meleapが2016年にローンチしたテクノスポーツ(超人スポーツ)です。テクノスポーツとは、テクノロジーを組み込むことを前提として作られたスポーツのことで、人間の能力をテクノロジーによって拡張し、楽しむスポーツといえます。2014年に超人スポーツ委員会、2015年には超人スポーツ協会が設立されてからは、テクノスポーツの認知度は上昇してきました。2019年時点ではVRやAR、ドローン、電動スクーターなどを媒介とした競技が存在し、さまざまなテクノロジーが活用されています。多数ある競技の中でも、HADOはテクノスポーツの公式種目として認定を受け、先駆け的な存在としてテクノスポーツの浸透を促進しています。株式会社meleapは2018年に7.2億円の資金調達を行い、プロリーグの立ち上げを目指すと発表しました。HADOのプロリーグが立ち上がることで、テクノスポーツが本格的なスポーツとして認められることになり、スポーツ業界の歴史に新たな1ページが刻まれることとなるでしょう。
HADOの特徴
HADOはAR(拡張現実)技術を用いることで、現実世界では不可能な魔法のような技を繰り出すことができます。頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にはアームセンサーを装着し、決められた動作によって技を発動させます。プレイヤーの位置を瞬時に把握できるトラッキング技術を開発したことで、CGの技をリアルタイムで出現させることが可能になりました。この技術により、自分の体を動かすと同時に技を繰り出せることで、臨場感や爽快感がより高まりました。
HADOには、4種類の遊び方があります。1つ目は、HADO Player VS Playerです。世界中で公式試合が実施されており、HADOのなかで最も人気の種目です。指定されたフィールド内で動き回りながら、お互いに技を出し合い勝敗を競います。
2つ目は、HADO MONSTER BATTLEです。目の前に現れるリアルなモンスターにファイヤーボールを当てて、制限時間内に撃退するアクションゲームです。味方と協力しながら攻撃することで、効率的にモンスターを倒せます。モンスターが攻撃してくることもあるため、体を動かして避ける必要があります。
3つ目は、HADO SHOOTです。こちらは、壁から次々と出てくるモンスターを複数のプレイヤーが撃退するゲームです。モンスターを倒した数に応じてスコアが加算され、最終的にスコアが最も高かったプレイヤーが勝利となります。モンスターを倒すだけでなく、宝箱から出てくるアイテムを使用して他のプレイヤーの邪魔をすることも可能です。
(引用元:HADO KART紹介動画)
そして4つ目は、HADO KARTです。ヘッドマウントディスプレイを装着した状態でカートを運転するゲームで、HADO KARTにはCOIN RUSHとGHOST BATTLEという2種類のモードがあります。COIN RUSHは、カートを操作しながらコースに散らばっているコインを回収するゲームです。最終的にコインを多く集めたプレイヤーの勝利ですが、コースに落ちている爆弾に触れると、回収したコインが散らばってしまうという厄介な仕掛けがあります。適切なカート操作によってコインを集めつつ、相手プレイヤーを爆弾に誘導してコイン数に差をつける戦略が重要なゲームです。
そしてGHOST BATTLEは、相手プレイヤーの背後に現れるゴーストを火の玉で撃ち、ポイントを獲得するゲームです。自らの背後にいるゴーストが相手プレイヤーに撃たれないよう気をつけながら、いかに火の玉を多く撃ってポイントを稼ぐかを考える必要があります。
HADOのルール
(引用元:HADO公式サイト)
前述したとおり、HADOにはいくつもの種類があります。ここでは、世界各国で公式試合が行われているHADO Player VS Playerのルールを説明します。まず、HADO Player VS Playerは最大3対3の対人戦です。味方と協力しながら技を繰り出し、相手にダメージを与えることでポイントを稼ぎます。プレイヤーは、1人につき4つのライフを持った状態からスタートします。相手にエナジーボールという攻撃をぶつけ、ライフを4つ削ることで味方チームに1ポイント加算されます。4つのライフをすべて失ったプレイヤーは、試合に復帰するために、一定時間待たなければなりません。試合時間は80秒で、時間内に獲得したポイントが多いチームが勝利となります。
HADO Player VS Playerでは、攻撃技と防御技を駆使して戦います。腕を前方に突き出すと、攻撃技であるエナジーボールを放つことができます。エナジーボールを放って、相手のライフをすべて削ることが勝利条件となります。エナジーボールを放つためには、腕を真上に掲げてエネルギーを貯めなくてはなりません。最大でエナジーボール5発分のエネルギーを貯められるので、攻撃の頻度とエネルギーを貯めるバランスを考える必要があります。防御技は腕を下から上に振り上げる動きによって、シールドを張ることが可能です。シールドを張ると、相手からの攻撃を防げます。シールドの効果は味方と共有できるため、自分が張ったシールドで味方守ることができ、シールドの後ろから安全に攻撃に転じることができます。しかし、1試合に3回までしか使用できないので、使い所を見極めないといけません。HADO Player VS Playerでは、自分たちが技を出すだけでなく、相手の攻撃を避けることも考えなければなりません。前後左右に動いたりしゃがんだり、ときには体を捻ったりして相手の攻撃を避けます。相手の動きをよく観察しながら攻撃を回避し、隙を突いて攻撃することが重要になってきます。さらに、競技を白熱させる要素として実装されているのが、ステータスのカスタマイズです。1人10スキルポイントが与えられ、試合前にスキルポイントを4つの特性に割り振ることができます。それぞれ、エナジーボールの速さ、エナジーボールの大きさ、エネルギーが貯まる速さ、シールドの耐久力という4つの特性に振ることができます。また、初期の段階で4つの特性に1ポイントずつ設定されているため、残りの6ポイントを自由に割り振ることになります。ステータスの割り振り例を挙げると、攻撃に特化するプレイヤーであれば、エナジーボールの速さやエネルギーが貯まる速さに多くのポイントを割り振ると有利です。一方、適切なタイミングでシールドを発動したり相手のシールドを壊したりするプレイヤーであれば、エネルギーが貯まる速さとシールドの耐久力を強化すると良いでしょう。
HADOは国際的なARスポーツに
(引用元:HADO公式大会ページ)
HADOは日本だけでなく世界中で人気を集めているARスポーツで、国内外で定期的に公式大会が開催されていることが、高い人気の証明といえるでしょう。国内の公式大会は、1〜3月開催のSPRINGシーズンと3〜5月開催のSUMMERシーズン、9〜12月開催のCLIMAXシーズンの3つに分けられます。シーズンごとに予選大会があり、予選で優勝したチームがシーズンの本選に出場できます。チームの公式ランキング順位や実績を考慮し、大会ごとにグレードを設定しているのが特徴です。上級者が出場できない初心者向けの大会もあるため、公式ランキング順位が低いチームでも、勝ち上がれる可能性が十分にあります。さらに、CLIMAXシーズンの最後には、世界各国から予選を勝ち抜いてきたチームが世界一の座を争うHADO WORLD CUPも開催されます。2018年の大会には、世界各国から全14チームが出場しました。2018年の大会に参加したプレイヤーは、約1,000人にも及びます。参加者は年々増え続けており、HADOに対しての関心が世界から集まっていることが伺えます。
HADOが体験できる場所・料金
HADOが体験できる施設は国内外に多数存在しており、2019年9月時点では世界26カ国65カ所に体験可能な施設を展開。アジアや北米、南米、ヨーロッパ、中東、アフリカなどあらゆる地域で、延べ160万人以上がHADOを体験しています。HADOのファンが最も多いのは日本ですが、中国やマレーシア、韓国といったアジア各国でも高い人気を誇ります。
HADOが体験できる日本の主な施設
日本でHADOが体験できる常設施設は、9つあります。
まず、関東地方では東京都のFUTSAL POINT 両国インドアFコート、マグレブエスト、VREX新宿、そして神奈川県のTHE 3RD PLANET 横浜本店でHADOを体験できます。中部地方では、愛知県のウェルネススクエア新栄、トランポリンパーク Mr. JUMP大高の2箇所で体験可能です。また、近畿地方・四国地方・九州地方はそれぞれ1箇所ずつで、大阪府のVS PARK、香川県のレオマワールド、そして長崎県のハウステンボスで体験できます。
HADOの料金
HADOの体験料金は、施設ごとに異なります。大人1人当たりの金額と利用可能時間または回数は、以下のとおりです。
- 東京都
・FUTSAL POINT 両国インドアFコート:フリーパス60分1000円、フリーパス30分600円
・マグレブエスト:60分1,650円、使い放題月額7,700円、1カ月4回月額5,500円
・VREX新宿:1プレイ2ゲームで700円
- 神奈川県
・THE 3RD PLANET 横浜本店:2プレイ500円、フリーパス60分1,000円
- 愛知県
・ウェルネススクエア新栄:60分1300円
・トランポリンパーク Mr. JUMP大高:90分2500円(施設全体の利用料金)
- 大阪府
・VS PARK:120分2,800円(施設全体の利用料金)
- 香川県
・レオマワールド:専用のりもの券500円+VR専用マスク1枚100円
- 長崎県
・ハウステンボス:1日7,000円(施設全体の利用料金)
いくつかの施設では、決められた日時に無料体験会が実施されることもあります。気軽にHADOを体験してみたい方は、無料体験を予約してみるのが良いでしょう。
HADOでARスポーツの魅力を体感しよう
HADOは魔法が使えるような感覚を現実世界で味わえるARスポーツとして、日本国内だけでなく世界各国で注目されています。資金調達を行いプロリーグの立ち上げを目指していることからも、HADOによるARスポーツの普及、促進活動がますます活発化していくことが予想されます。HADOのようにARを活用したサービスを提供したいと考えている方は、ARサービス運営事業を行っている会社へお気軽にご相談ください。