Magic Leap One(マジックリープワン)の特徴や使い方
ARを楽しむためのデバイスのひとつとして注目されているのが、Magic Leapが開発・販売しているMagic Leap One(マジックリープワン)です。本記事ではMagic Leap Oneの特徴や機能についてご紹介します。
Magic Leap One(マジックリープワン)って何?
(引用元:Magic Leap One公式ページ)
Magic Leap One(マジックリープワン)とは、Magic Leapによって開発されたMRデバイスです。メガネの形状をしたヘッドセットとコントローラー、プロセッサーとバッテリーを内臓したユニットの3つから成り立ち、独自OSが搭載されています。Magic Leap Oneは2017年に発表されました。開発元のMagic Leapはスタートアップ企業でありながら、Googleやアリババなどの大手企業から1,000億円単位での資金調達を成功させたニュースで大きな注目を集めており、Magic Leap Oneについても限定的な情報しか発表されていないことが、一層話題となりました。Magic Leap Oneはクリエイター向けのMRデバイスというポジショニングで発表されており、現在は限定的な国と地域にのみ販売されています。残念ながら日本はその対象国ではありません。現在はいくつかのソフトウェアを通じてMRを体験することができますが、ゲームコンテンツやアーティストとのコラボコンテンツなど、クリエイティブなコンテンツが充実しています。
Magic Leapについて
(引用元:Magic Leapサイト)
Magic Leapは2010年に設立されたアメリカのスタートアップ企業です。ARやMRに特化したHMD開発企業とされており、Magic Leap Oneが発表された唯一のプロダクトとなります。前述のように、Magic Leapは大手企業からの絶大な期待を集め、巨額の資金調達を実現している点が大きな特徴です。資金調達の礎となったPVが実際開発されたコンテンツではなく特撮であったというニュースが報道されましたが、極めてビジョンが明確であるという点で評価されているのかもしれません。
Magic Leap One(マジックリープワン)でできること
(引用元:Magic Leap)
では、Magic Leap One(マジックリープワン)では何ができるのでしょうか。第一に、Magic Leap Oneではコントローラーや自身の手を用いてアクションを起こすことができ、現実世界に重なった情報に対して何らかの操作を加えることができます。現在発表されているソフトウェアを例にとると、海中を浮遊する体験や、音楽と同期して生成された抽象的なオブジェクトに対して触れる体験など、いわば没入感の高いコンテンツが提供されています。
(引用元:Magic Leap)
もちろん、MRだからこそできる現実空間との融合体験を楽しむこともできます。自分のいる壁を破って敵が登場するシューティングゲームなどのコンテンツも魅力的です。MRデバイスのなかでも注目度の高いHoloLensと比較したとき、Magic Leap Oneはよりクリエイティブな体験に特化したデバイスと言えるかもしれません。MRならではの現実世界を生かしたコンテンツに特化しているわけではなく、表現したい世界観に応じてVR的な没入感も表現できます。
Magic Leap One(マジックリープワン)の特徴
Magic Leap One(マジックリープワン)の特徴は、ヘッドセットがメガネ型であるという点です。装着のストレスを一層軽減し、スマートなルックスを実現させています。また、コントローラーを標準搭載していることで、ゲームコンテンツなどの操作の可能性を広げています。ほかのMRデバイスが直接手で操作するのみにとどまっているため、操作性の違いは今後のコンテンツに大きな影響を与えるでしょう。また、独自OSを搭載していることによるスタイリッシュなユーザーインターフェースも特徴のひとつです。現在公開されている使用動画では、近未来的で奥行のある画面推移が伺えます。
Magic Leap One(マジックリープワン)の価格
Magic Leap One(マジックリープワン)の価格は2295米国ドル(約24万9000円)です。本価格は「Personal Bundle」と呼ばれるスタンダードモデルで、開発者向けの「Developer Bundle」の場合はデベロッパー・ハブや1年のサポート優遇などがついて2790米国ドルに設定されています。HoloLensと比較すればやや低価格に設定された商品ですが、2019年現在は限定的な地域での発売にとどまっています。
Magic Leap One(マジックリープワン)の評判
では、実際にMagic Leap One(マジックリープワン)を利用したユーザーはどのようなレビューをしているのでしょうか。いくつかその評判をピックアップしました。
Magic Leap Oneへの高評価
- ヘッドギアが軽く、装着ストレスがない
- 長時間の利用でも疲れにくい
- 3D表示が安定している
Magic Leap Oneは比較的軽いヘッドセットと、独自開発の『デジタルライトフィールド』ディスプレイによって長時間利用が可能になっている点が魅力です。自然の物体が放つ光とシームレスに融合する技術は、バーチャルのデータをより一層自然に見る体験を実現します。
また、比較的重いデータも安定して表示できるため、負荷の高いゲームコンテンツもスムーズに遊べるのが魅力です。
Magic Leap Oneの懸念点
- 競合商品との差別化ポイントが現状少ない
- メガネをかけながら装着できない
- 当初のイメージの期待値が高すぎた
Magic Leap Oneはクリエイティブなイメージを全面に押し出したPRが話題を呼びましたが、実際のスペックや視野角などをつぶさに比較すると、今のところHoloLensなどの競合商品と比べて特筆すべきすぐれた点はないようです。また、メガネ型であるが故に、メガネをかけながら装着できない点も課題です。
Magic Leap One(マジックリープワン)の買い方
(引用元:Magic Leap One購入ページ)
では、Magic Leap One(マジックリープワン)を購入したい場合はどうすれば良いのでしょうか。2019年10月現在、日本でMagic Leap Oneは販売されていませんが、同年4月にはNTTドコモが資本業務提携を発表しており、日本での製品発売に向けて準備を進めていることがわかっています。
Magic Leap One(マジックリープワン)で注目のコンテンツ
Magic Leap Oneの世界観を体感できるおすすめのコンテンツをいくつかご紹介します。
音楽×映像のMR体験「Tónandi」
(引用元:TónandiのYouTube)
「Tónandi」はポストロックで独自の世界観を表現するロック・アーティスト「シガー・ロス」の作品とコラボレーションしたコンテンツです。音楽にあわせてインタラクティブな映像があらわれ、ユーザーはその映像に触れながら音楽に没入する体験ができます。
MR版「アングリーバード」
(引用元:YouTube – Angry Birds: FPS – Magic Leap Launch Trailer)
スマートフォンアプリゲームとして世界的ヒットを記録した「アングリーバード」を、現実世界と融合させて遊ぶことのできるコンテンツです。画面上では横スクロール型のゲームだったのに対し、Magic Leap Oneの「アングリーバード」はユーザーの視点から見た奥行のある、いわばFPSの視点で遊びます。既存のゲームが今まで遊んできた視点と変わることで、MRの魅力として一層伝わる点がすぐれています。
Webブラウザ「Helio」
(引用元:Magic Leap公式サイト)
独自のWebブラウザであるHelioは、MRならではの体験を生かしたWebブラウジングができます。読みたい記事を空間の好きな場所に配置したり、オンラインショッピングで検索した家具を実際の空間に置いてシミュレーションしたりと、実用的ないくつかの利用方法がサンプルとして用意されています。今後、MRでの体験を想定したデザインやユーザーエクスペリエンスへの研究が進めば、一層わかりやすく、空間的なWeb閲覧が可能になっていくでしょう。
Magic Leap One(マジックリープワン)の最新ニュース
Magic Leapは2019年6月、競合であるNrealを告訴しました。デバイス開発に関する機密情報の漏洩とその盗用が告訴内容ですが、Nrealはこれを否定しており、今後の展開に注目が集まっています。MRデバイスは視野角の狭さや装着感の向上など課題点が明確である半面、競合他社との差別化が極めて難しい商品ともいえるでしょう。市場のなかで存在感を出すための戦略がどのような方向で進んでいくのか、期待されます。また、国内では2019年11月、NTTぷららによるライブ演出「TECH LIVE」でMagic Leap Oneが実験的に利用されました。アイドルグループZOCのライブにMRコンテンツを組み合わせることで、バーチャルな演出とライブを融合した体験ができるというものです。NTTドコモが日本でのMagic Leap One普及に積極的であることから、今後日本でも独自のコンテンツが増えていくことが予想されます。
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