HoloLens(ホロレンズ)の特徴や使い方
MRを楽しむためのデバイスのひとつとして注目されているのが、マイクロソフト社が開発・販売しているHoloLens(ホロレンズ)2です。本記事ではHoloLens(ホロレンズ)の特徴や機能についてご紹介します。
HoloLens(ホロレンズ)って何?
HoloLens(ホロレンズ)とは、マイクロソフト社によって開発されたMRデバイスです。
デバイスの種類としてはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に分類され、ユーザーが頭部に装着することでMR(複合現実)を体験することができます。HoloLensの初期モデルは2016年に発表され、次世代PCとしての立ち位置を見せました。
それまでPCは持ち運ぶものでしたが、HoloLensの誕生によって現実世界に重なる情報をPC同様に操作することができ、いわば「装着するPC」という概念が生まれたと言えるでしょう。HoloLensに搭載されたWindowsは数回のアップデートを重ね、対応できる機能も追加されてきていました。
2016年8月からはRSにナンバリングをする形でバージョンを区別しており、最新リリースのバージョン(2019年10月現在)はRS5です。また、2019年発表のHoloLens 2が初期モデルの後継として発表されています。
マイクロソフト社では次世代のPCの在り方としてMRに注目しており、今後もさらなるアップデートが期待されています。
そもそもMRとは
HoloLens(ホロレンズ)によって体験できるのはMR(複合現実)です。では、MRとは何でしょうか?MRについて考えるためには、ARとVRについて説明する必要があります。
まず、AR(拡張現実)とは現実に情報を追加したコンテンツを楽しむことのできる技術を指します。たとえば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを介して現実世界で見える視界にオブジェクトを表示させるなどの機能がARにあたります。具体例として、インテリアショップの家具を実際に家に置いたらどうなるかシミュレーションするアプリなどがリリースされています。
一方でVR(仮想現実)は、現実世界と違った仮想現実の世界を体感することができる技術です。HMDを装着することで、自分の動きと同期したフィールドを歩いたり、そのフィールドにアクションを起こしたりすることができます。VRの技術は作業現場の研修に活用されるなど、さまざまな分野での利用が普及しつつあります。
そして、MR(複合現実)は、こうしたARとVRの間に位置するものと定義されています。ARのように現実世界をベースにしつつ、VRのようにインタラクティブな情報との関わり方ができるのです。MRはこうしたリアルとバーチャルをつなぐ技術のなかでは、最も新しい考え方です。MRが普及すれば、空間に情報を取り出して操作したり、遠方にいる人と同空間でコミュニケーションを取る疑似体験ができたりと、一層フレキシブルなコンテンツを体験することができるでしょう。
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HoloLens(ホロレンズ)でできること
では、現在販売されているHoloLens(ホロレンズ)では何ができるのでしょうか。
Hololensは視線やジェスチャー、音声による操作が可能です。キーボードなどのデバイスを介さず身体的な操作ができるようになることで、ユーザーは今まで以上にフリーな操作体験ができるでしょう。また、現実世界を生かしたコンテンツを楽しむことも可能です。
たとえば、自分のいる空間から出てくる敵を撃ち落とすシューティングゲームなどを体感することができます。HoloLensはセンサーによってユーザーの位置と空間の関係を把握できるため、360度すべての空間を生かしたコンテンツが作れるのです。
こうした技術によって、ユーザーは今いる空間のなかにバーチャルな情報を置き、それに対して操作するという極めて近未来的な体験ができます。そういったMR独自の体験を前提として、HoloLensはWindowsを搭載したデバイスですので、その他のPC操作を行うこともできます。つまり、VRコンテンツのように映画などを見る用途でも利用できるということです。
ただし、HoloLensは現実とコンテンツの融合ができる強みを持っていますので、没入感を必要とするコンテンツには不向きです。
HoloLens(ホロレンズ)の特徴
HoloLens(ホロレンズ)最大の特徴は、スタンドアローンで動くということです。Windows10を搭載しており、ほかのデバイスを一切利用することなくWindowsを操作することができます。
HoloLens上で体験できる情報は、他のユーザーと共有することが可能です。複数ユーザーが関わり合う体験を生み出すことができるのは、VRと異なる点でしょう。また、開発元であるマイクロソフト社はMRTKという開発用オープンソースプロジェクトを設けています。コンポーネントなどが充実している点は開発者にとってうれしい特徴かもしれません。
HoloLens(ホロレンズ)の価格
HoloLensは法人向け販売がメインでしたが、2020年7月から一般ユーザー向け販売も開始されました。マイクロソフト公式オンラインストアでの価格は42万2180円(税込)です。
HoloLens(ホロレンズ)の評判
では、実際にHoloLens(ホロレンズ)を利用したユーザーはどのようなレビューをしているのでしょうか。いくつかその評判をピックアップしました。
HoloLensへの高評価
- 空間認識能力が高い
- 前モデルと比較してかぶりやすく装着ストレスがない
- 解像度が改善され、映像が美しい
まず、MRコンテンツを楽しむために重要な空間認識能力と映像の美しさにおいて、HoloLensは一定の評価を得ています。空間においてあるオブジェクト(家具など)やユーザーのいる場所を正確に把握することで楽しめるゲームコンテンツなども存在し、MRのだいご味を十分味わえるデバイスといえるでしょう。
HoloLensの懸念点
- 想像しているよりも視野が狭い
- 一般的に使うユースケースは想像しづらいデザイン
- ソフトウェア開発が追いついていない
HoloLensに限ったことではありませんが、MRは現実世界と完全にシンクロしたコンテンツを提供するため、視野の狭さは一層意識されてしまうようです。また、どうしてもヘッドギアとしての重量感や装着感があるため、屋外での一般ユーザーの利用はまだ現実的ではないと捉えられています。また、技術に対してそれを利用するソフトウェアが少ない点も課題です。
HoloLens(ホロレンズ)の買い方
では、HoloLens(ホロレンズ)を購入したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
以前は公式サイトから問い合わせて購入する方法が推奨されましたが、2020年7月から一般ユーザー向け販売が開始されたため、現在はマイクロソフト公式オンラインストアから購入することができます。
HoloLens(ホロレンズ)の最新ニュース
HoloLens(ホロレンズ)を活用したイベントや企業事例は少しずつ増えつつあります。
2019年度における「天才てれびくんYOU」特別生放送(NHK)では、HoloLensを複数台利用することによる複合現実世界のテレビコンテンツ化を実現しており、MRが実現する世界観をメディアで生かす新たな方法を示唆しました。
また、建設現場で活用できるHoloLensアプリの開発なども進んでいます。手を動かしながら目元で付加情報を確認し、業務効率化につなげることが現実的になりつつあります。こうしたHoloLensに関わる国内ニュースが生み出されている背景にあるのは、コンテンツ制作やアプリ開発に力を入れるベンチャー企業の存在です。 XR(AR、VR、MR)を主軸としたデジタルコンテンツ制作を強みとするハニカムラボや、xR体験の研究とシステム開発、講演活動などを行うホロラボなどのリリースはチェックすべきでしょう。
こうした最先端の技術を専門とする企業がHoloLensの活用方法を模索し、各業界の企業と連携することで、今後さらなる活用事例が増えていくことが期待できます。
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