AR(拡張現実)と地域活性化
最新のテクノロジーを活用した地域活性化は様々な技術で模索されています。近年はSNSをはじめとするインターネットの急速な普及により、効果的な事例の共有がより促進されやすくなっているかと思います。本記事ではAR(拡張現実)技術と地域活性化をテーマにいくつかの事例を交えてご紹介します。
ARの地域活性化にいかせる要素
AR技術を地域活性化に活かすためには大きく3つのポイントがあります。
AR技術の話題性による集客力
1つ目はAR技術の集客力です。AR技術そのものが最新技術であるがゆえに話題になりやすいメリットがあります。例えば、地域でスタンプラリーキャンペーンを行う場合にも、ARを利用することで今までとは異なる話題性を提供することができます。
AR技術のビジュアライズ力
2つ目として、AR技術は既存の物体や場所に情報を与えることができる特性を持ちます。また、ARで可視化できる情報はテキストから動画まで非常に多種多様な表現が可能です。例えば、歴史的な建造物をスマホのAR機能付アプリのカメラで覗くと、その建造物の歴史ストーリーをアニメで移したりといったビジュアライズが可能になります。
AR技術の省スペースさ
3つ目は物理的な観点です。AR技術はすでに存在する物体に情報を書き込むことができる技術であることから、機材などを設置したり博物館のようなハコを設置する必要はありません。スマホだけあればAR技術を体感することができることから、コストや運用面でも非常に効率的な技術であるといえるでしょう。
ARの地域活性化実例
以降ではAR(拡張現実)を使った地域活性化事例を紹介していきます。
ロールプレイングトリップinモリマチ(静岡県森町)
静岡県の森町という自治体で実際に行われた、町おこしARゲームの事例です。参加費用は無料で、ARで表示されるキャラクター「コモコモ」を探して町を歩き回るスタンプラリーゲームとなっています。
ARアプリ「COCOAR」を使い、伝説の生き物「コモコモ」と友だちになるというストーリーで楽しく町中を散策することができます。
アニメの舞台をめぐる聖地巡礼ARアプリ
(Image:ソフトバンクプレスリリース)
2014年の事例でありますが、人気アニメ「エヴァンゲリオン」と箱根とのコラボレーションにより実施されるイベント「箱根補完計画 ARスタンプラリー」が行われました。実はエヴァンゲリオンの舞台となっている第三新都心は現在の箱根にあたる地域であることから、聖地巡礼のイベントが企画されました。AR技術を使うことでエヴァンゲリオンのキャラクターが3Dで登場するという体験は多くのファンにインパクトを与えました。
ARガイダンス「かんぷら」
観光地・地域のガイダンスの訴求力強化にARを利用する事例も増えてきています。観光ARアプリ「かんぷら」をご紹介します。主な機能は、かんぷらアプリ経由のカメラを使って地域のスポットを覗くと、そのスポットの情報がスマホ画面に表示されます。文字だけでなく、実際に絵やイラストで3Dに表示されることでより情報として伝わりやすくなります。最後に、特に地方活性化に重要なインバウンド観光客向けにもより伝わりやすい、こまやかな情報が伝えられるという点もあります。景観はそのままに、場所に捉われず多言語表記が可能となります。
屋嶋城(やしまのき)復元プロジェクト(香川県高松市)
AR技術を近い、今は失われてしまった全盛期の観光スポットの姿を浮かび上がらせることもできます。屋嶋城(やしまのき)は、香川県高松市に位置する文化財的に価値の高い朝鮮式山城です。1998年に遺構が見つかり、そののち発掘調査と解体復元が行われました。現在は復元が完了しています。この復元中の一時期は石積みの遺構だけで観光スポットとしてはインパクトが弱かったため、AR技術でその観光資源としての価値を高めようという取り組みが行われました。CGで城門を再現し、ARアプリで城門が目の前にあるかのように体験することが可能となりました。アプリを起動したスマホやタブレットを石積み遺構にかざすと城門が映し出され、また、特定のポイントでVR映像が見られるようになっていました。CG内には兵士等の人物も登場させて防御シーン等往時の状況を描き出し、見学者が臨場感をもって体験できる内容としました。その他、城門のある風景の中に入り込んだような写真が撮れる機能や、屋嶋城跡の城門地区を含めた15カ所を紹介するガイドも作成。歴史背景等の解説、屋島の魅力紹介もアプリ内に盛り込みました。
AR蒙古襲来~甦る元寇船~(長崎県松浦市)
長崎県松浦市が作成したスマホアプリ「AR蒙古襲来~甦る元寇船~」では、AR技術を活用することで鎌倉時代の元寇の様子を疑似体験することができます。鷹島神崎遺跡から発見された元(13~14世紀の中国王朝)の沈没船を高精度な3Dで推定復元しています。市内の各所から伊万里湾に向けてスマホをかざすと、画面内では海上に元寇船が現れたり、同市マスコットキャラの松浦松之介とARで記念撮影をすることができます。また、鷹島と本土を結ぶ定期航路の船上で同アプリを使用すると、湾に浮かぶ元寇船団を海上で体験できます。その他、現地に行かずに、元寇船の甲板上を歩き回ることができたり、海底遺跡発掘や元寇・鷹島神崎遺跡を学習できるコンテンツ、元寇検定など、幅広く楽しめる機能がアプリには同封されています。
親和性の高い地域活性化とAR技術
本記事でご紹介した事例はほんの一握りですが、AR技術の活用による地域活性企画はインパクトのある事例が多いことがおわかりいただけたかと思います。特定のスポットを訪れることでARの魅力を活かすことができる点も地域企画との親和性の高さがあります。
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