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AR(拡張現実)やVR(仮想現実)関連の市場規模について

コラム

今回はAR(拡張現実)およびVR(仮想現実)の市場規模に関する情報をまとめてみました。大きくは「現在、そして数年後に予想される市場規模とCAGR(年平均成長率)」及び、「各分野の特色」、最後に「市場発展にカギとなる要素」をまとめてみました。

AR/VR関連の世界市場規模

IDC Japanは2019年6月、『AR/VRのハードウエアとソフトウエア、および関連サービスを合計した支出額は、2018年の89.0億ドルから2019年は168.5億ドルに急伸し、2023年に1606.5億ドル(約17兆3000億円)に達すると予測する。』と発表しています。この約168.5億ドルの市場規模は、同時点での世界の電子書籍の市場規模と同程度の大きさです。一方、2023年に到達するとされる約1606.5億ドルの市場規模は、現在のカジノの市場規模と同程度の大きさになります。この規模感を知ると、これから数年間で大きく伸びると予想されていることが分かりますね。

AR/VR関連の日本市場規模

一方、同じくIDC Japanによると『AR/VR関連の日本市場は、2018年に約13億ドルとなった。2019年は18億ドルとなり、2023年には34億ドルが見込まれている。』とのことです。この2019年の約13億ドル(約1400億円)の市場規模は、同時点での日本の自転車市場や、Jリーグ市場と同程度の規模感です。また、2023年の約34億ドル(約3700億円)は、日本の2019年現在のカラオケ市場やクリーニング業市場と同程度の規模感となっています。

世界市場での各分野の伸び

世界AR/VR関連市場・用途セクター別支出額予測 2023年 (単位: 億米ドル)

Source: IDC Japan, 6/2019

各分野での伸びは上記のように予想されます。分野としては、特に高い伸びを示しているのは金融市場(CAGRは133.9%)とインフラ市場(同122.8%)です。金融市場では、投資分野、決済分野での拡大が特に見込まれています。投資分野では、たとえばトレーダーの業務において、PCの画面を文字通り延長して一度に多くの情報を見ることができるようになるといったケースが考えられます。この場合、実際の情報はグラス内にのみ展開されるのでセキュリティも高くなります。決済分野では、VR空間店舗での一貫した購買などのケースが考えられています。インフラ市場では、訓練・研修でAR/VRを活用したり、製造業の組み立てや公共分野(水道・ガスなど)の工事作業をARで支援したりという用途が伸びるとみられます。このように法人部門が支出額の伸びを牽引し、ゲームやビデオ鑑賞など一般消費者部門のCAGRは52.2%と相対的に低い値にとどまると予想されます。

日本市場での各分野の伸び

国内AR/VR関連市場・用途セクター別支出額予測 2023年 (単位: 億米ドル)

Source: IDC Japan, 6/2019

各分野での伸びは以上のように予想されます。日本市場の場合、まず目につくのは世界市場に比べてのそのCAGRの小ささです。世界市場と同様に金融機関での拡大予想が大きいと言えるでしょう。実際の国内の金融市場においては、たとえばGMOクリック証券が開発しているVRトレードアプリなどが挙げられます。やはり現在では消費者向け市場が最も大きいのは、ポケモンGOに代表されるようにスマホゲームの人気が根強いと言えるでしょう。なお、日本市場においては、特に2020年での5G開始に加え、オリンピック関連分野や、インバウンド関連分野でのAR/VR市場の伸びも期待されています。しかし、世界市場に比べて日本市場の伸びはまだまだ小さいと言わざるを得ません。なお、IDC Japan のシニアマーケットアナリストの菅原氏は以下のように述べています。『トレーニング分野を中心にAR/VRの利用が拡大してきたとはいえ、現在の市場の成長見込みは海外の諸地域に比べて明らかに見劣りする状況に変わりはない。国内市場の現状に甘んじることなく、積極的なユースケースの開発とAR/VR新規使用者層の開拓を続けることが、今後の停滞を避ける唯一の道である』国内市場の拡大に向けた各企業の取り組みが変わらず重要であると言えるでしょう。

AR/VR関連市場の発展

AR/VR市場の発展に関しては、特に5G通信(第五世代通信)の進展・普及が大きなカギを握ることになると言われています。5G通信の普及によって、大容量のデータが遅延少なく取引されるようになると、よりデータ量の多いカテゴリであるAR/VR関連のサービスの利便性がおおいに向上すると考えられています。いずれにしても今後の市場動向から目が離せません。

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