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AR(拡張現実)の法律はあるの?ARの規制や問題点に関するまとめ
AR(拡張現実)の法律はあるの?ARの規制や問題点に関するまとめ

AR(拡張現実)の法律はあるの?ARの規制や問題点に関するまとめ

コラム

ARはエンターテインメントに限らず、さまざまな領域で活用されつつある技術です。そして、新しい技術を用いることはこれまでにない法律制定の必要性を生み出す一面もあります。今回はARに関わる法律の最新状況についてご紹介します。

多くのサービスが生まれてきているAR

ARとは拡張現実(Augmented Reality)の略称であり、現実世界に何らかのデバイスを通じてデジタル情報を付加し、現実を拡張する技術の総称です。ARを利用したコンテンツは昨今増加しており、AR技術を生かした研修など、実践的な利用ケースも各業界で生まれつつあります。ARを利用することで私たちはこれまでにない新しい経験を享受することができる一方、法的な拘束力のない情報の扱いに触れる危険性も持ち合わせています。ARを利用するとき、私たちはどのような点で課題があるのでしょうか?

ARの課題

ARにおけるデータの権利者やプライバシー侵害

第一に、ARはその特性上、デバイスを通じて見る世界を情報として取り込む必要があります。このとき、ARはその場所の位置情報を把握しますが、この位置情報の権利については法律上は未整備と言える状態です。ARを楽しむ場所が完全にプライベートな空間であれば問題ありませんが、例えばマンションのように隣接した他人の空間もある場合、ポイントクラウドの取得ポイントが隣接と接している場合の権利関係は曖昧です。また、ARを利用している際に取得されてしまうユーザーの位置情報などプライバシーに関わる情報についても、今のところ明確な線引きがありません。

ARにまつわる事件があった場合の責任者は誰か

また、ARコンテンツを利用することによって起こった事件・事故の責任は誰にあり、どの程度の重みを持つのかということも不明瞭です。たとえば、「ポケモンGO」のようなゲームコンテンツにおいて、ある人の所有する土地に特定のARデータを求めて不特定多数のプレイヤーが集まってしまうケースは少なくないでしょう。ARゲームに没頭し、事故に遭うといった可能性もゼロではありません。こうした事件があった場合、その事件の責任はARゲームを開発した会社にあるのかどうかが問われます。

ARを規制する法律は?

現在、ARそのものを規制する内容を定めた法律はありません。ただし、先に述べたようなリスクに対して開発企業がまったく配慮していない場合、万が一事件が起こったときはその企業の責任が問われる可能性は十分にあります。したがって、ARに関わる事件が発生した場合、論点は責任を誰が負うのか、権利者は誰であるかに絞られるでしょう。こうした議論の軸として注目される点は下記の2点です。

どこまでが企業の責任であるか事前に明記されているか

たとえば、そのコンテンツを利用することによって起こり得るトラブルなどの危険性について十分に伝え、禁止事項などを設定しておくことは大切です。さらに、そのうえで起こったことについて一切の責任を負わないということを開発企業側が利用規約等に明記することも責任のボーダーを明確にするうえでのひとつの手段でしょう。

データの取得範囲についてユーザーが合意しているか

ARコンテンツを楽しむにあたり、どのようなデータを取得する必要があるかをユーザーに事前に報せておくことで、そのユーザーが合意のもとコンテンツを遊んでいる状態になっているかどうかも論点のひとつです。プライバシー侵害にあたるかもしれない情報を取得しているということを認識したうえでユーザーがそのコンテンツを選んだのならば、それは自責ということになり得るでしょう。

AR関連の事件・事故が今後の法整備に影響を与える

現在、AR関連の法整備が進んでいないことは、裏返せば事例が極めて少なく、開発企業もどのような事件が起こりうるかを予測できていないことを表しています。開発企業は想定しうる範囲で先に述べたような免責事項を洗いだし、ユーザーにARコンテンツを利用することがどのようなリスクを抱えるのかを十分説明していく必要があります。そのうえで、今後どのような措置がAR技術周辺に必要かが明確化されてくれば、法整備への一歩となるでしょう。

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