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AR(拡張現実)を活用した教育系サービスや事例まとめ
AR(拡張現実)を活用した教育系サービスや事例まとめ

AR(拡張現実)を活用した教育系サービスや事例まとめ

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教育分野はARとの相性が良く、今後ますます導入事例が増えると予想されています。子どもの教育だけでなく、社会人の研修にもARは活用され始めているのです。本記事では、ARを活用した教育系サービスや事例を紹介します。

AR技術とは

ARとはAugmented Realityの略で、拡張現実と呼ばれる技術のことです。実際の風景にバーチャルの世界を重ねて表示することで、目の前の世界を仮想的に拡張できます。AR技術は国内外のあらゆる分野で導入が進み、利便性向上に役立っています。AR技術の詳細を知りたい方はこちらの解説記事をご覧ください。

AR技術を教育に活用するメリット

ARを教育に取り入れることで、子どもの学習意欲を高められます。AR技術を使い目の前にコンテンツを表示させることで、これまで頭の中でイメージするしかなかった物事が視覚的に理解できるようになります。実際に自分の目で見たというリアルな体験に基づく学習により、知識吸収が促されます。そのため、ARは教育現場において活用できる先端技術として、文部科学省の方策にも盛り込まれているのです。また、技術系の専門職に従事する社会人もARの恩恵を受けられます。社員に専門知識や技術を教える際はマニュアルや映像が活用されますが、いずれもリアリティに欠けることが多く、必ずしも高い効果を発揮するとはいえません。社員研修にARを取り入れ作業現場を仮想化することで、実際に作業を行うイメージが湧きやすく、速やかな技術習得に役立ちます。

ARを活用した子どもの教育事例・サービス

ここからは、子どもの学習を支援するためにARを活用した事例を確認していきましょう。

三重県桑名市のAR活用事例

(Image:AVR Japanプレスリリース)

2019年10月9日、AVR Japan株式会社は三重県桑名市教育委員会と共同で、ARを活用した理科授業を実施しました。桑名市立益世小学校で行われた本授業では、教育アプリケーション「Creator AVR」を活用しました。授業内容は、本アプリケーションをインストールしたタブレットでバッタや蝶など昆虫の3Dモデルを表示し、身体の仕組みと生態を学ぶものです。教科書や図鑑など平面に描かれた図だけではわかりにくい細かな身体の仕組みも、ARを活用することで視覚的に把握できるようになります。現在はICT教育に力を入れる地域での限定的な取り組みにとどまりますが、今後教育現場でARが積極的に活用されるようになると、日本全国の小学校で視覚的な理解を促進する授業がスタンダードとなるかもしれません。

ベーシックジーニアス英和辞典 第2版

(Image:RICOH)

株式会社大修館書店が出版する「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」には、AR技術が活用されています。ARアプリケーション「RICOH CP Clicker」をインストールしたスマートフォンで巻頭カラーページ「ピクチャー・ディクショナリー」を撮影すると、単語や会話の音声を再生できます。従来のCDが付属した辞書とは異なり、スマートフォンがあれば速やかに音声を再生できるのがメリットです。読者は手軽に音声を再生でき、製作者はCDを作る手間やコストを省けるため、今後ARアプリケーションを音声再生手段とする教材は増えていくことが予想されます。

グラフィックサイエンス 最新理科資料集

(Image:明治図書)

明治図書出版株式会社は、ビジュアル資料を掲載した「グラフィックサイエンス 最新理科資料集」を販売しています。ARアプリケーション「COCOAR2」をインストールしたスマートフォンをAR対応資料にかざすと、デジタルコンテンツを楽しめます。竜巻が発生する様子を部屋の中で確認したり、人体の臓器モデルを近くにいる人に重ねたりすることで、視覚から理科への理解を深めることが可能です。生徒の理解を促進するとともに教師の解説もサポートするため、授業への活用が期待されます。

Google Expeditions

(Image:Google)

Googleは没入型の学習・教育ツールとして、「Google Expeditions」を無償提供しています。ExpeditionsアプリケーションのARモードを利用すると、抽象的な概念を現実世界に映し出すことが可能です。例えば、火山の噴火など実際には近くで見ることができない現象も、ARモードを使えば教室内で再現できます。Google ExpeditionsはARモードのほかVRモードも搭載しているので、授業の幅を広げる手助けをしてくれるでしょう。

企業の研修にも活用可能なAR

ここからは、ARを社員研修に活用した事例や、社員教育を支援するサービスを紹介します。

東京メトロ 社員研修用アプリケーション

(Image:東京メトロプレスリリース)

東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は2017年5月、ARを活用したアプリケーションを社員研修に導入しました。社員研修用の総合研修訓練センター内にある模擬トンネルや模擬橋りょう・高架橋でアプリケーションを起動すると、仮想的な損傷が表示されます。これにより、実際に損傷がある現場まで足を運ばなくても、土木建造物の維持管理教育が可能になりました。ARによる模擬体験研修ができるようになると、社員の理解がより深まります。さらに、終電後トンネルを見に行くといった時間的制約がなくなり、スムーズな研修実施にもつながるのです。視覚的理解が重要な技術職におけるAR導入は、今後ますます進んでいくと予想されます。

AR NEC 遠隔業務支援システム

NECソリューションイノベータ株式会社は、AR技術を活用した「NEC 遠隔業務支援システム」を提供しています。本システムは未熟練労働者と遠隔地の支援者が映像と音声を共有することで、離れていても適切に技術支援を行うものです。支援者が現場に行かなくても指示できるため、熟練の技術者が不足している企業でも無理のない社員教育が可能です。人材不足が深刻な日本において、ARを活用した遠隔支援は新しい社員教育の形となるでしょう。

ARを教育に取り入れ、理解を促進しよう

教育分野におけるAR技術導入は、学習能力向上や技術習得につながる可能性を秘めています。ARを取り入れた教育系サービスの開発は、未来を担う子どもや技術者のサポートにつながる重要な貢献といえるでしょう。

 ARは教育分野のほか、あらゆる分野のサービスに取り入れられる技術です。新しいARサービスの開発や既存サービスへのAR導入を考えている方は、AR商品の企画・開発を行う会社へご連絡ください。

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