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AppleのAR(拡張現実)やVR(仮想現実)の取り組みをご紹介

コラム

注目を集め続けるAR/VR領域ですが、なかでもGAFA各社の動きが業界に与えるインパクトは非常に大きいものがあります。本記事ではAppleにおけるAR/VR領域に対しての動向をご紹介します。

史上最高額になったAppleの研究開発費

2019年7月に発表された決算によると、Appleの研究開発費は過去最高の42億ドルにのぼっています。これは、かつてiPodとMacを主力としていた頃のAppleを超える投資ということで、新しいAppleの革新的なサービスやプロダクトが生み出されることの前兆に他なりません。なお、Appleは今後もこの研究開発費の割合は高くなることを示唆するようなコメントも残しており、iPhoneに次ぐ主力商品を投じるための準備に余念がありません。そして、その研究開発費の内訳は公表されていませんが、少なからず影響を与えているだろうと言われているのがAR領域への挑戦です。

VRよりもARに対して積極的

2017年、AppleはARに対する動きを増やしていきました。CEOであるティム・クック氏の発言によると、AppleはVRよりもARに可能性を見出しているという報道もされています。同氏は現実世界との分断がないことについてARを評価しています。VRの強みである没入感よりも、ARの現実世界に情報を付加する特長のほうが、Appleの目指す将来的なビジョンに近いと考えたのでしょう。AR/VR領域に対してのテック企業の動向を見ていったとき、多くの企業がARとVR双方に対して何らかのアプローチをしていたり、活用を試みたりしている傾向があります。一方、AppleはARに焦点をあてた動きを見せており、利便性という観点から仮想世界の利用を考えているようです。

少ない買収企業のなかでもAR関連企業がある

Appleは一般的なGAFAのなかでは買収企業が少ない傾向があります。Microsoftが毎年平均5社、Googleが毎年平均11社を買収しているのに比べ、Appleの毎年平均買収社数は2社です(※創業年とこれまでの買収者数から算出)。そんなAppleが直近にAR企業を買収しています。

3Dセンサーの技術力としてPrimeSenseを買収

2013年に買収されたPrimeSenseは、3Dセンサーの技術を開発していた企業で、初代Kinectのセンシング機能も扱っていました。体の動きに合わせた操作や、スマートフォンやタブレットにも対応するセンサーなど、同社が持っていた技術の多くはARに活用できるものです。当初AppleはARに対して何らかのコメントを残していないため、その意図は明らかではありませんが、空間における体の認識と、そこからの操作性を求めていたのであれば、おそらくAR技術開発のための買収だったのでしょう。

顔認識技術を開発するRealFaceを買収

2017年には高度な顔認識技術を持つRealFaceを買収しました。当初は顔認識によるロック解除や操作などに前向きな姿勢を示していたので、そのための買収という見方をされていましたが、顔認識技術はARの機能面での充実を叶えることにも一役買っています。当時の新型iPhoneの発表には間に合わないタイミングでの買収だったことから、より先を見据えた買収かもしれないという見方もありました。2017年ごろからAppleがARに前向きであることを全面に押し出していることを考えれば、AR機能のために買収したのかもしれません。

ARディスプレイ開発企業Akonia Holographicsを買収

2018年に買収されたAkonia Holographicsは、AR向けディスプレイに用いられるテクノロジーを開発している企業です。ちょうどAppleがARに対して前向きであることを伝えて間もない買収の発表だったため、今後のAppleが発表するARプロダクトにはこの技術が用いられるのであろうと話題になりました。なお、買収額や正確な買収のタイミングは明らかにされていません。

AppleがAR関連で準備していること

Appleは企業買収のほか、ARに対して強力なリソースを持っていることを伝えるニュースを発表しています。2017年ごろからARのことを話題に挙げながらも、特に大きな商品発表などをしていないAppleですが、その水面下での動きがわかるトピックをいくつか取り上げます。

開発拠点には多くのAR関連エンジニアがいる

Appleの開発拠点のひとつであるイスラエルの研究施設では、1,000人に上るエンジニアがARの研究開発に携わっていると報じられています。これまでも研究施設で集中的な開発を進め、新しいサービスやプロダクトを生み出してきたAppleが、現在はARの技術を結集しているということです。人材採用の面でもARエンジニアは増加しており、2017年の時点でこうしたニュースが話題になっていることを考えれば、おそらく2020年ごろにその成果が発表されると期待されています。

ARに関する59件の特許を米特許商標庁に出願・取得

AppleはARに関わる技術について積極的な特許出願と取得を繰り返しています。2017年にはその数は7件と言われていましたが、2019年11月現在、その数は59件にのぼると報じられました。その内容の一部として、スマートフォンによる物体の計測機能など、具体的なAR機能改善に資するものが挙げられています。おそらく、AppleはARの技術を全面的に引き上げることのために心血を注いでいるのでしょう。

Appleが発売しているARサービスやプロダクト

Appleは大きなデバイスの発表はまだしていませんが、ARに関わる商品の発売を連想させるさまざまな情報をメディアに報じられています。

現段階で明らかになっていることや発売されているサービス・プロダクトについて触れます。

AR Kit

(画像引用元:Apple)

2017年に発表されたAR Kitは、ARコンテンツを簡単に作成することができるフレームワークです。iPhoneやiPadを用いてARを楽しむコンテンツ作成が可能で、現存するAR関連アプリもAR Kitの活用による機能改善が行なわれました。AR KitはiPhoneやiPadにおいて実現できる機能としていくつかの強みを持ちます。たとえば、ARで表示させる3Dコンテンツが、人の後ろを通る場合、その人の後ろを通る瞬間だけ非表示になる機能などがその一例に挙げられます。AR KitはApple製品でのAR体験をより良いものとし、開発サイドに与えるストレスを軽減したサービスと言えます。

ついにAppleのARグラス「Apple Glass」が登場?

2019年11月現在、AppleはARグラスとして「Apple Glass」のコンセプト画面を発表しています。同商品は2020年発売を目安に動いていると言われており、各業界から高い注目を集めています。Apple Glassは通常私たちがつけるメガネと大きな違いのないビジュアルをしており、センサーやWi-Fiなどを搭載していながらもスマートに見える点で実用性があると言えるでしょう。耳にかける部分は革、フレームには高品質な金属を採用し、かけ心地への追求にも余念がありません。Apple Glassはすでに出荷準備のスキームに進行しているとの情報もあり、実物を日本で楽しむ日もそう遠くはないでしょう。

ARに期待を寄せるAppleの将来性

ARに特化してさまざまな技術開発や商品発表を続けているAppleは、ハードウェア、ソフトウェア双方からのアプローチで、今後ARの進歩に大きく寄与する影響力を与えると考えられます。すでにApple製品開発のなかで培ってきた技術力とARの機能を掛け合わせれば、今まで見たこともないようなARサービスが実現するかもしれません。

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