ARはユーザー向けのサービス事例だけでなく、広告やプロモーションに活用されるケースもあります。ARを用いた広告やプロモーションの事例について、2019年現在最新のニュースをご紹介します。
レゴ・ウェア×スナップチャットが仕掛けたAR仮想店舗
(画像引用元:we are social)
2019年2月、レゴ・ウェアとスナップチャットはロンドンにて服のないアパレル・ショップをオープンしました。同店内にはスナップチャットによるQRコードのみが設置されており、ユーザーはそのコードを読み取ることでスマートフォン上のレゴの仮想店舗に入店することができます。仮想店舗内にはARでのみ楽しめるアーケードゲームや遊具、DJブースなどが設置され、仮想店限定の商品も販売されました。本キャンペーンは開店期間内で3万7千回を超えるシェア数を記録し、平均19秒以上のプレイ時間をユーザーに提供しました。このプレイ時間は、通常のキャンペーンと比較すると約2倍です。現実を拡張するARの機能を生かしつつ、情報をすべて仮想現実内に落とし込んだ本キャンペーンは、極めてクリエイティブな広告事例としてForbesなどのメディアで話題になりました。
ソニーの聖地巡礼ARが今も人気を集める理由
(画像引用元:舞台めぐりサイト)
2013年にリリースされたアプリ「舞台めぐり」は、アニメの聖地巡礼を目的としたスマートフォン向けアプリです。聖地巡礼とは、アニメに登場したロケーションに実際足を運ぶ観光の一種です。「舞台めぐり」は、キャラクターと共に特定の場所で記念撮影ができるAR機能などを設けることで、聖地巡礼をより一層魅力的な体験に変えることができます。「舞台めぐり」はARを利用したアプリとしてそう新しいものではありませんが、現在も多くのアニメファンのユーザーを擁しています。はじめはひとつのアニメタイトルに準じて作られていたコースも、現在は多くのアニメタイトルに応じてコンテンツが増え、全国規模の展開になりました。「舞台めぐり」は、アニメのコンテンツ力を各地に直結させることで、地方の観光資源として寄与しています。アプリ側が主催する連携イベントなどを開催することで、継続的なファンづくりも実現しています。ARによってデジタルな情報をリアルにつなげることが、新たな価値を生み出す好事例として、「舞台めぐり」は良いパターンと言えるでしょう。
Facebookで体験できるAR広告
(画像引用元:Facebook)
2018年FacebookよりリリースされたAR広告は、ARと非常に相性が良いと言われてきたメイクやアパレルの商品をARで体験できるものです。スマートフォンによる顔認識の精度が高まり、化粧品の色やメガネなどをAR機能で付与するARアプリはこれまで複数生まれてきました。その機能を用い、直接商品紹介を行なうカメラアプリ「YouCam」もその一種です。FacebookはこうしたARの機能をプラットフォームの広告に搭載しました。Facebook上に表示された広告をタップすると、ユーザーはリアルタイムでその広告商品を自らの顔で試すことができます。こうしたAR機能を搭載した広告が各プラットフォームで普及することは、幅広いユーザー層が手軽にARに触れる機会を増やすことにつながるでしょう。なお、ARに興味を抱くユーザーの平均年齢は30歳と若い一方、平均年収が高額であるという特徴を見出した調査(引用元:SUPERDATA)もあることから、こうしたAR広告は高単価の商品購入にも直結するものになる可能性が期待されます。
グリコのAR×商品パッケージキャンペーン
(画像引用元:グリコ公式サイト)
2018年、グリコがリリースした「恋人はポッキー」キャンペーンは、パッケージに描かれているキャラクターをスマートフォンの専用アプリで読み込むことでAR表示させる企画です。各キャラクターには人気声優によるアフレコが行なわれており、スマートフォン上で購入者を恋人に見立てた甘いセリフをささやいてくれます。本コンテンツはターゲットとなる若年層女性を中心に広く話題になり、ARコンテンツを目的とした購入者を増やしただけでなく、SNSを通じた訴求にも成功しました。商品パッケージでのAR表示企画は、ユーザーがどれだけそのARに対して興味を持つかが影響力の鍵を握ります。専用アプリをダウンロードする手間や、それを読み取るリソースを割いてでもユーザーがそのARを見たいと思うコンテンツを作ることが肝です。その点で、熱意のあるファンが多い人気男性声優を主軸にし、SNSでの口コミも狙ったコンテンツに仕上げた本企画は、ARを活用した広告の成功事例として適しています。
AR広告のポイントはARでしかできない体験の提供
広告やプロモーションにARを利用する場合、重要なのはユーザーがARを使うことに前向きになる体験価値がそこにあるかどうかです。ARでしかできない試着などの体験を提供するなど、ARの価値を最大限に生かしたコンテンツにする必要があります。ユーザーはARを体験するとき、必ずスマートフォンを始めとした何らかのデバイスを利用します。その一歩を踏み出したくなる、関心のきっかけのある広告を作れるかどうかが、今後のAR広告成功のポイントと言えるでしょう。
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