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【自動車×AR】活用方法から海外事例までご紹介!

コラム

 「ポケモンGO」をはじめとして、主にエンターテインメントの領域で注目を集めるAR(拡張現実)技術。近年ではさまざまな領域で活用が進みつつありますが、自動車産業では、特にエンドユーザーの目に触れやすい形でAR技術が活用されています。今回は自動車産業でのAR活用について、その活用方法と事例をご紹介します。

 

自動車産業でのARの活用方法

 自動車産業でARがどのように活用されているか、見ていきましょう。

製造現場での作業支援

 複雑かつ高度な作業が求められる自動車の製造現場では、ARを活用したスマートグラスが画期的なソリューションになり得ます。作業内容を示した図を投影したり、点検時の異常検出を補助するなど、既存の技術では困難だった支援の機械化は製造効率を大幅に高めます。また、自動車の製造ロボットの点検にも活用されるなど、一口に製造現場での支援と言っても、活用方法は多岐にわたります。

整備の効率化

 自動車の整備シーンでもARの活用は進んでいます。調子が悪くなった車をディーラーに持って行っても、複雑な技術的問題に対応できる整備士がいるとは限りません。しかし、スマートグラスを活用すれば、直感的な作業手順の表示や専門家との意思疎通の容易化が可能となり、整備の質を確保することができます。

販売支援

 製造、整備だけでなく、販売の現場でもARが活用されています。実際に購入する前に、さまざまな内外装を試したり、自宅の車庫に置いた際のサイズ感、イメージを確認してもらい、ミスマッチを防げます。

運転支援

 

 自動車の安全対策は日進月歩。もちろん、AR技術もその一端を担っています。車外に搭載されたカメラ映像と同期することにより、ピラーやトレーラーなどの視覚的障害物を仮想的に排除することが可能になります。安全対策だけでなく、実際の道路の映像に矢印を投影することで、ナビゲーションをより直感的にするなど、さまざまな形での応用も進められています。

自動車産業×AR 国内事例

トヨタ自動車

ARグラス活用

 トヨタ自動車ではマイクロソフトのARグラス、Hololens2を全国56トヨタ販売店に導入して修理、点検業務の効率化を図っています。従来のイラストや文字などの2Dデータを主とした修理書では、修理の正確な手順やノウハウを共有するのは困難でした。そこで、実車に重ね合わせて配線図を3D表示することで、部品の正確な位置を直感的に把握することが可能になりました。また、Hololens2を通して、現地の整備士の視界を遠隔地にいる本社の専門家と共有できます。音声会話に加え、空間内に情報を書き込むことも可能です。このコミュニケーション技術は作業の効率化だけでなく、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐという観点でも非常に有効です

自動車産業×AR 海外事例5選

メルセデス・ベンツ

ARナビゲーション 

 2020年9月に日本で発表されたメルセデス・ベンツEクラスは日本で販売される乗用車で初のARナビゲーションが採用されたことで話題になりました。従来のナビゲーションシステムでは、地図上に進むべき道がハイライトされるだけでしたが、このナビゲーションシステムでは、車両の前面に広がる景色を映し、進むべき道路に矢印を表示します。これにより、直感的にどの道路に進むべきか判断することが可能になります。

テスラ

ARグラス活用 

 アメリカの自動車メーカー、テスラはARの利用が工数やヒューマンエラーの削減につながると期待し、AR機器を利用した工数削減に関する特許を出願しました。テスラはARグラスを利用して、自動車製造に当たる従業員に作業内容を図解し、指示したり、点検時の異常検出を行ったりしています。また、工場にある莫大な数の自動車製造ロボットの管理にもARグラスを活用しています。各階の地図をARグラスを通して提示することで、ロボットの衝突など現場での危険を回避し、効率的な製造ライン構築に繋がります。

フォルクスワーゲン

ARヘッドセット活用

ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは2020年にイギリスのディーラーでの整備にRealWearのARヘッドセットを導入していきました。技術者が難しい問題に当たった時に本社のサポートチームからの支援を受けやすくすることで、顧客が自動車を使えない作業期間を短縮し、サービスの品質を高めることが狙いです。AR導入により、専門家と視界を共有して図や資料の表示することで、サポートチームからの遠隔サポートをより精度高く実現できるようになります。

ARディスプレイ

 また、フォルクスワーゲンは新開発のARヘッドアップディスプレイを初めて高級車以外の量販者に搭載することを発表しました。このARヘッドアップディスプレイは、先進運転支援システムや進行方向、速度や道路標識等の情報を表示します。運転手の前方3メートルほどに投影される近距離ディスプレイと前方10メートルほどに投影される遠距離ディスプレイに分かれており、すべてのディスプレイはドライバーが実際に見る景色と一致するように配置されます。

ジャガーランドローバー 

ARディスプレイ

 イギリスの自動車メーカー、ジャガーランドローバーは2019年、次世代ヘッドアップディスプレイの研究過程で新しい、ARを利用した3D表示技術を開発していると発表しました。運転者の目の位置を計測し、車のフロントガラスに3D映像を投影することで、前方の前方の路面上に警告文字や危険物の映像を表示できます。ドライバーが警告や危険に対して、より自然に反応して、危険回避が早くなることが期待されます。実際に、ドイツで行われた実験では、運転中の奥行感覚の正確さが増し、飛び出しへの反応速度が速くなりました。また、搭乗者の目の位置をトラッキングするため、この技術を応用することで同乗者もフロントガラス上に別の3D映像を見ることが可能になります。

AR体験アプリ

また、ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2020年に新型「ディフェンダー」をARできるアプリ「DEFENDER AR」を発表しました。コロナ時代に自宅にいながら体感することができます。

ポルシェ 

AR体験アプリ

 ドイツの自動車メーカー、ポルシェは2019年にAR技術を活用した「ポルシェARビジュアライザーアプリ」を開発しました。このアプリを使えば、自分好みにカスタマイズしたポルシェを、自宅のガレージなどに仮想的に配置し、鑑賞することが可能になります。外見だけではわからない機能を確認できるX-Rayモードや、車両を仮想的に運転できるインタラクティブドライビングモードが搭載されており、購入前の参考にすることができます。

 

このように、ARは工場での作業から販売、運転、そして整備に至るまで様々な場面で自動車産業に活用されています。これからのさらなる進化に注目が集まります。

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