不動産業界へのAR活用とは?
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による影響で、対面での不動産内覧などの手間を省くことができる、バーチャル内覧などのAR(拡張現実)を用いたサービスが注目されています。
他にも、現実の部屋の中にARでバーチャル家具を配置するサービスなども、実際の物件での生活の想像を助けるものとして広まりはじめています。
今回は、そのように物件探しや住環境のイメージなどの不動産の課題を解決するAR技術の活用について、VRとの比較や活用事例の紹介を通して解説していきます!
不動産業界でのARとVRの比較
不動産業界へのAR技術活用と近いものにVR(仮想現実)技術があります。
ここでは、内覧サービスを軸にARとVRを比較してそれぞれの特徴を見ていきます。
このように、VRは移動コストをかけずに離れた場所からも物件の大まかな構造や雰囲気を把握できることを強みとしており、ARは物件を現地で内覧する際にバーチャルで家具を配置したりすることでより具体的に物件での新生活をイメージできることを強みとしています。
そのため、不動産におけるVRとARは競合する技術ではなく、「VRで内見に行く物件を絞り、現地ではARを使って、遠隔にいる同居予定人などに内見の様子をリアルタイム配信する」というように両方利用することで、相互に補完し強みを活かすことができます。
不動産×AR 活用事例8選
内覧サービス2選
- AR内見
「AR内見」は株式会社x gardenが提供している、不動産内見時に自動で家具を生成・配置し、バーチャルなモデルルームを作成することで内見時の体験をより豊かにするサービスです。
事前に家具を配置した場合の間取りをシミュレーションすることができることで、引っ越してインテリアを配置し終わってから「イメージと違い失敗した」という思いをしたくない借主のニーズを解決します。
「ヴィンテージ」や「モダン」といったユーザーの好みに対応することができ、さらに複数のデバイスから同時に同じARのモデルルームを見ることができます。
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- どこでもAR内覧
「どこでも内覧」は株式会社YONDEが提供している不動産バーチャル内覧サービスです。
スマートフォンのAR機能を使うことで、住宅物件をバーチャル内覧することができます。
ARの内覧サービスでは珍しく自宅に居ながら利用することができ、スマホを持って歩きながら、並行して3Dモデル内を自由に内覧・俯瞰して間取りを確認できます。
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バーチャル家具配置サービス4選
- LIFULL HOME’S -ARお部屋計測機能-
「ARお部屋計測機能」は同じく「LIFULL HOME’S」の追加機能として2017年よりリリースされた機能です。
iPhoneのカメラをかざすだけで、簡単に部屋のサイズを測ることができ、計測の際は、キャラクターのホームズくんが出現して画面上を走り、室内を1cm単位で採寸してくれます。
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- ARリノベ(仮称)
ARリノベ(仮称)はリノベる株式会社及びKAKUCHO株式会社が開発している業界初の買取再販売事業者向けプラットフォームサービスです。
購入予定者が、半完成の状態のリノベーション物件を内覧し、残る部分(キッチン、間仕切り壁等)をARを活用して自由に設定し、完成イメージを確認しながら購入することができます。
そのようにすることで、内装が好みでない場合は購入を見送るまたは再リフォームしなければいけないというリノベーション済み物件の課題を解決しています。
ARリノベ(仮称)は2020年からプレスタートとして名古屋地域で物件の販売が始まっています。
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- LOWYA AR
LOWYA ARは家具メーカーLOWYAが提供しているAR家具試し置きサービスです。
商品ページから見たい商品の画像をタップしてARを起動し、置きたい位置を調節するだけで実際に家具がそこにあるかのように配置し、部屋との色合いや質感の調和を見ることができます。
また、AR技術により、スマホのカメラで映した空間に家具を実物大で配置することができるため、面倒なメジャーでの採寸が必要ないだけでなく、より直感的に家具の規模感を把握でき、ECサイトから直接購入する際も便利です。
さらにLOWYA ARの特徴としては、アプリを経由することなくウェブブラウザから直接ARを体験できるweb ARを用いています。web ARを用いることで、ユーザーがより気軽に体験できるためCVR向上が期待でき、さらに企業側もアプリよりも比較的安価に開発できます。
web ARについてこちらの記事でより詳しく解説しています。
LOWYA ARについて詳しくはこちらから
- IKEA Place
家具業界では、IKEAは早い段階からARを利用してきました。
スマートフォンアプリ「IKEA Place」では、家具を原寸大で表示することができ買う前に大きさを確認できます。さらに、大きさが正確なだけではなく、テクスチャーや生地、光と影の加減まで実物に近いようになっているため、より本格的に雰囲気を知りインテリアとのバランスを見ることができます。
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AR物件検索サービス2選
- LIFULL HOME’S -かざして検索-
「かざして検索」はアプリ「LIFULL HOME’S」に搭載されている物件検索機能です。
街を歩いていて住んでみたい建物を見つけたら、アプリを起動してスマートフォンをかざすだけで空き物件を探してくれます。
スマートフォンをかざすだけで利用することができるため、面倒な物件探しのハードルを下げることができます。
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- 神居秒算
日本の不動産価格をAR表示できる中国アプリ「神居秒算」すごい pic.twitter.com/6tKjUVQsqP
— 小口貴宏 / EngadgetJP (@TKoguchi787) May 24, 2019
神居秒算は中国発のアプリで、「かざして検索」と同じように、建物にカメラをかざすことで不動産情報を見ることができます。さらに、神居秒算では、ボタンを押すことでそのままオペレーターに電話することまでできます。
利用会社数40社超・掲載物件12,000件超の実績を上げ、業界一の問い合わせ件数と成約率を誇っています。中華圏向けのサービスですが、今後は順次日本語にも対応していくとのことです。
『神居秒算』の何CEOに、お会いしました
今までは、中国人向けの不動産投資に特化していたけれども、今後は日本人向けにもシフト予定
・ARカメラで建物をかざすと建物の不動産情報でてくる。
・買いたいと思ったら、ボタン1つでオペレーターに電話控え目にいってネ申アプリなので、ぜひお試しを! https://t.co/5ODLXTWQ3n pic.twitter.com/zc0tB543OR
— こうみく🇨🇳@ZVC中国トレンドマーケター (@koumikudayo) May 22, 2019
「不動産テック界の黒船」神居秒算の動向にこれからも目が離せません。
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まとめ
このように、物件検索から内覧、家具配置シミュレーションで入居後のイメージを膨らませるに至るまで、不動産に関する様々なシーンでARを活用することができます。ぜひ気軽に体験してみてください。
AR導入を検討している不動産関連企業の担当者様へ
本WEBメディア「AR TIMES」の運営元であるプレティア・テクノロジーズ株式会社は、「ARクラウド」をはじめとしたアルゴリズム開発、および「AR謎解きゲーム」をはじめとした各種エンターテイメント及びソリューションを提供するスタートアップ企業です。
弊社は不動産に関するARに関しても様々な知見と技術を有しております。
- 自宅や店舗からでも物件を体験できるAR内覧サービスを導入したい
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